2013年 08月 04日
ポカリスエットはね、 |
昭和55年、まだ生まれていない方も多いかと思いますが
この年「ポカリスエット」は誕生しました。
発売したのは、大塚製薬。
デビューしたての宮沢りえさんの「ココロ上天気」にのせた
イメージCMを覚えていらっしゃいますか?
その後、糸井重里さんと斉藤慶子さんによる内容訴求型CMへ。
「理由があります。」は、当時のキャッチフレーズ。
今(平成15年度)は、北野武さんやダルビッシュ選手などを起用。
世界20カ国以上にその販路を展ばしています。
「脱水時の水分補給を目的とした」日本初の飲料。
絶妙なイオンバランスをもつポカリスエットは、
意外なところにその起源を持ち、「理由」があるの飲料なのです。
長時間にわたる手術後、
手術室から出てきたドクターが手にしたものは・・
点滴のボトル。
慣れた手つきでボトルをカット、一気に喉に流し込む。
発汗による脱水からのスムースな体液回復のためにあった当時の院内情景。
汗には、ナトリウム・クロールなどのいわゆる「イオン」が含まれています。
汗がしょっぱいのはそのためで、そこに飲む「理由があります。」・・・
そもそも汗の正体は、血液(体液→細胞外液→血液→汗)です。
① 体温上昇などによる生理作用によって血液は汗となり体表に出ます。
② 出た汗は、外気にふれ体表を冷やします。(気化作用)
③ これにより、体温が維持されます。(体温の恒常性・ホメオスターシス)
④ この体温・体液管理がうまくできなくなった状態、これが熱中症です。
以上のメカニズムで大切なのは、
身体に適当な体液が維持されているか!ということになります。
重要なのは、汗には水にイオンが含まれているということです。
これは、
汗をかいた時には血液は濃く(血液ドロドロ)なる方向へ、
逆に体液を回復しようとするときにイオンのない水のみを飲んだときには
血液が薄まる方向へ(水中毒)と促されるという生理作用をうむ理由になります。
これらを理解するドクターが、点滴液を飲むには
ちゃんとした「理由」があったということです。
点滴は、体液のバランスを考慮しており、
その用途に応じ基本的にはイオンバランスを調整していますが、
注射針により静脈内に注入されます。(経静脈補液)
この点滴の内容を維持し、飲むタイプ(経口補液)にアレンジし
発売されたのが「ポカリスエット」でした。
因みに、冒頭のスナップにあるショルダータイトル
「ION SUPPLY DRINK」は
「イオンを補給する飲み物」という意味です。
ここまで読んでいただいて、何か引っかかることがありませんか?
イオン入りの飲料だと、多少しょっぱいはずだけど
ポカリスエットってけっこう甘味がありますよね。
なぜでしょう?「理由があります。」
脱水した時には、できるだけ速く体液を安定させなければなりません。
通常、水分は主に小腸と大腸から吸収されますが、
経口摂取したものは胃を通過した後、
栄養分は主に手前の小腸から、
水分は主に大腸から吸収されます。
小腸からの栄養吸収は、水と栄養物の混合物の形でなされます。
したがって、最も近い吸収臓器である小腸からの水分吸収を促すため
ポカリスエットには糖質(栄養物)が配合されているのです。
これが、ポカリスエットに甘味がある「理由」です。
当時のスポーツ界は、いわゆる「根性論」が先行し運動中の飲水行動を
能力(パフォーマンス)低下に導く行為であるとした考え方が一般的でした。
この理論に一石を投じ、現代スポーツ理論を飛躍的に改善することになるのです。
定期的に、試合中であっても水分補給を行わせる。
今では、あたりまえの姿になりましたね。
脱水は、
発汗・下痢・嘔吐・入浴・睡眠などにより引き起こされます。
日常的に脱水環境にある現代、水分補給を心がけましょう。
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ボディメンテ
以上、大塚製薬㈱資料より
スポーツトレーナー コンディショニングコーチ 津屋崎千軒鍼灸院
by ts-shinkyuin
| 2013-08-04 12:41