2015年 07月 23日
NHKのいう「腰痛の原因は脳にあり!」はね |
最近、NHKの番組などで取り上げられた、
「腰痛の原因は脳にあり!」が話題になっています。
3ヶ月以上続く原因不明の慢性腰痛は、
「またあの腰痛が起こったら…」という恐怖によって、
脳の癒し役(DLPFC)が機能低下を起こしていることが原因だ!
ということでした。
その有効な改善法として、“認知行動療法”が紹介されていました。
実はこれは、東洋医学の最も得意とするところです。
一般的には、あまり知られていなかったと思いますが、
「病は気から」そのものです。
以下、東洋医学的概念を交え説明しましょう。
そもそも、腰痛で作られた恐怖は、『感情を伴う記憶は忘れない』
という、“エピソード記憶”によるものです。
つまり、腰痛を起こした時、
怒り、哀しみ、恐怖、不安、不快、恥、苦痛…
といった、強い負の感情が同時に起こったことによって
脳の機能低下を引き起こすほどの恐怖をもたらしているということです。
これに関し、東洋医学では「陰陽五行論」という概念があります。
五臓「肝・心・脾・肺・腎」にはそれぞれ受け持った感情(五志)があり、
それぞれ「怒・喜・思・憂・恐」を司ります。
よって、この五臓の経絡(気の通り道)を選択し治療します。
われわれ日本人は、遠い昔からこの療法で
心とからだの健康を維持してきたのです。
最新の腰痛治療とされる“認知行動療法”を、
ひとことで言えば…『行動(体験)を通して、認知(脳)を変える』ことです。
ですから、感情(驚きや喜びなど)を伴う、
「痛くない!」という体験を積み重ね、脳に恐怖を起こさせなく
することが重要なのです。
まさに、これを行うのが鍼灸治療です。
鍼灸治療は、鎮痛とともに精神の安定を旨としています。
ぎっくり腰の患者さんが治療後、スキップして帰って行った・・・・
といったことはよくある話です。
まさに、痛みから解放された喜びの行動ですが、
ほとんどの患者さんの治療後がこのようです。
そこで、最良と言われる“鎮痛療法”についてです。
病院でおこなわれる痛み止めの注射をして安静に・・・という治療ですが、
鍼灸治療では、
同様のことを脳内ペプチド(エンドルフィン・エンケファリン・ダイノルフィン)
の鎮痛効果を発現させますが、体内に薬剤を注入するのではなく
身体の持つ生理作用を活性させ、自然治癒力を高めることで治療します。
私は、「大丈夫です。」「治ります。」「お任せ下さい。」と言います。
一見、無責任な言動のように聞こえるかもしれませんが、
脳のエピソード書き換えを目的としたイメージの学習に気を込めているのです。
多くの患者さん治療後「あら!あれ!」と、痛かったポーズをとって
痛みの確認をされますが、これは重要な認知行動です。
信じて受診ください。
補足ですが、DLPFCの低下はうつ病などの精神疾患ともかかわっています。
ですから、患者さんの訴えている痛みには、
痛みから始まったDLPFCの機能低下と
精神的ストレスに起因するDLPFCの機能低下があるということになります。
前者の場合は、
前述の治療で十分な効果が期待できます。
後者の場合は、
ストレスなどによる社会・生活環境に起因するものが多いようです。
肩こり、腰痛の85%はストレスから、今では定説になっています。
心とからだを対象とする鍼灸治療は、いずれの病態にもアプローチします。
お悩みの腰痛、一度鍼灸治療の破壊力を選択してみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ぎっくり腰 腰痛専門外来 津屋崎千軒鍼灸院
by ts-shinkyuin
| 2015-07-23 16:33